プラス100円のお得感で夜の集客を図るマクドナルドから学ぶ
マクドナルドがプラス100円でパティが倍になる「夜マック」を3月19日午後5時から全国で開始した。これは昨年6月から開始した東海地区の試験販売では売り上げが15%アップ。意外なことに女性客に好評だったことから全国展開に踏み切ったようだ。
パティが1枚なら2枚へ、パティが2枚なら4枚にプラス100円で増量されるのだから、Wチーズバーガーなどはお得感が半端ない。
実際にダブルバーガーを注文した業界人は「ギブアップ寸前の大満足でした」とハンバーガー1個が晩飯になることを証明してくれた。
これなら普段はマクドナルドを利用しない人も晩飯がてらに行ってみたくなる。給料の少ないサラリーマンやOL、食べ盛りの子供を抱えた家族連れで賑わいをみせそうだ。
ただし、無制限にサービスすると赤字になってしまうので、1人2個までの制約はある。
プラス100円のお得感で夜の集客アップを図る狙いがあるわけだが、パチンコ業界としても夜の集客を上げるには、プラス1のサービスが必要になってくる。
かつてのホールは夜ともなると会社帰りのサラリーマンで賑わったものだ。一仕事終えたサラリーマンがパチンコでリフレッシュする。勝てばその日の豪勢な飲み代に消え、負ければコップ酒。それはサラリーマンの小遣いの範疇でパチンコが楽しめた時代でもある。
サラリーマン客が姿を消したのは、結婚して小遣い制になり、自由に使えるおカネがなくなってしまったからだ。今のパチンコの最大の問題はおカネがかかり過ぎること。このことが原因で遊技人口は年々下がり続けている。
ホールはホールで、下がる売り上げをカバーするために、必要以上に釘を閉める。釘は締まる、設定は入っていないから、残っている今のお客さんまでパチンコから足を洗う。
象徴的な例はプロが辞めていくことだ。
「ホールの利幅がどんどん少なくなっている。それをプロが奪い合っている。ホールの今の利益を計算したらこの先10年持たない、と思った。40過ぎた時、プロをやっていても何も残らない。これ以上続けるのは無理、と思った」と話すのは16年のプロ生活から引退した元スロプロ。
サラリーマンを呼び戻すには、その日の飲み代を賭けて、1000円、2000円で一勝負ができるような機械を出すことだ。三段クルーンのアナログ機も登場し始めた。
こうした短時間勝負一発機系の機械の出現が、マクドナルドのプラス100円サービスに匹敵することだ。