マルハンの成功の秘訣は断固たる決意にあった
今から20年ほど前、事業所責任の新年会で当時のトップが檄を飛ばした。その考えは今読み返しても古くささを感じさせないので引用してみた。
「人間や会社は希望とロマンがなければならない。そこでわが社は売上げ、サービス、管理で日本一を目指している。この目標の達成は目前である。(今期目標の)1200億円の目標はほぼ達成したが、それに伴う利益が出なかった」と原因を次のように分析した。
その結果、明らかとなったのが人件費、金利、過当競争、機械代の過剰支出だった。当時は営業経費節約やパチンコ機械有効利用優秀店舗の表彰制度を行っていたほどで、経費削減意識は本社でも実践されていた。
当時から廊下やトイレなど不要な場所の電気は消えていた。この辺りのコスト削減は今でも課題のホールは多い。
その一方で、営業に関しては極めて攻撃型だった。
「企業も店舗も守りの姿勢ではダメ。常に攻撃する。攻撃こそが最大の防御である。50店舗ほどあるが、常に攻める店と脱落して諦めている店がある。店長には不屈の闘争心が必要。前進あるのみ。35年間この姿勢で会社を引っ張ってきた。幹部、店長は自分の意見をもっと主張して欲しい。創意と工夫。これが成功する店。毎日上から指示を仰いでいるようではダメ。そんな姿勢では世知辛い競争社会に勝つことはできない。大事なことはやる気を起こすこと。12時出社の店長がいる。よほど自信があるのか、投げ出しているのか」
創立35周年のこの年を新時代にマッチした幹部、社員を養成して行く年のスタートと位置づけた。
理想像は「原価計算に詳しく、リーダーシップのある店長」だった。社員からは給料よりも休みを希望する者が多かったので、この年に完全二部制と週休5日制を導入した。
「自分の子供を勤めさせたくなる会社にすることが私の夢。会社のために働くのではなく、自分自身のために働くことを自覚すること。すると熱意も出てくる。私の辞書には不可能はない。成功の秘訣は断固たる決意にある」と話しを〆た。
その時、5年以内に株式公開を果たすといっていたが、それ以外はほぼ実現している。上場ではダイナムに先を越されて、店舗数でも劣るが、売り上げ、サービス、管理は自他共に認める日本一である。
トップの強い信念があれば、夢は実現する。