出玉で勝負しても換金額が少ないと客は逃げる現状
ホールとユーザーの間には深くて長い溝がある。
遊技人口が減少する中でそんなことをふと考えさせられる今日この頃である。
どういうことかというと、ホールも慈善団体ではないので、利益を出さなければならない。ホールの利益は釘の開け閉めによってコントロールされるわけだが、最近のユーザーの不満は回らない、当たらない、勝てない、といったところに集約され、ユーザーがホールに求めているのはズバリ「出玉」。ユーザーにとっては「出玉」が最高のサービスということになる。
そんなことはユーザーから改めていわれるまでもなく、ホールは百も承知している。出玉にしても民間の営利企業なのだから自ずと限界はある。
出玉が一番求められていることは分かっていながらも、出玉競争は互いの体力を消耗してしまう。そこで、ホールとしては出玉以外のサービスの数々を付加させることで来店動機を作ることに重点を置く。
付加サービスの合わせ技が来店動機になるにも関わらず、ユーザーはそれを次のように全面否定する。
「出玉という基本がしっかりできているのなら、プラスアルファの付加価値もありだが、今のパチンコ屋はその基本ができていない。基本が出来ていないから付加価値で誤魔化そうとするが、そんな付加価値はいらない」
これがホールとユーザーの間に横たわる深い溝である。
「そこまでいうならユーザーはホールを選ぶ権利があるのだから、回らない店には行かなければいいだけの話。よく回る店に行けばいいだけで、そんな努力を惜しむから不満が出る。回転数のボーダーも機種ごとに発表されているサイトがあるのだから、回らない店は行かなければいい」(ホール関係者)
ホールにはお客様の意見箱を設置しているケースが多い。投書の中身は「もっと回せ!」という類のものが圧倒的だ。
ホールの対応は2つに分かれる。
一つは完全ムシ、もう一つは釘を開けるべくどの機種を開けるか、と考動する。でも、圧倒的にムシが多い。
この回らないというユーザーの不満の落としどころは、回るようにするために、等価交換営業を即刻止めることだ。
結局のところ、回らない原因はこの等価交換営業にあるわけで、昔の2.5円交換に戻せば十二分に回すことができる。
ところが、回って、出玉にも満足しても、換金した時に等価交換でなければ、ユーザーは「計算間違いではないのか!」と必ず文句をいってくる。
2.5円交換だからユーザーの不満を吹き飛ばすぐらいぶん回すことができる。
回して出玉でも満足しても、換金した時に少なかったら、文句は出る。二兎を追う者は一兎をも得ず。実際、低価交換で設定は4,6のみを使用、パチンコは25回転するぐらい回す営業を続けたホールの稼働が以前よりも下がったケースもある。
つまり、回して、出玉を出しても換金時に金額が少ないと客は逃げるという現実がある。等価交換志向のユーザーに対しては回しても効果がない。遊びを求めるユーザーは、現在の市場からは残っていない。遊びを求めるユーザーを引き戻さなければ回す営業をして効果はない。業界がギャンブルから遊技に戻るためには、相当な困難が予想されるが、その暁には遊技人口が増えてくる。