接客で稼働は上がる!
「接客では稼働は上がらない。客が求めているのは出玉だ。玉を出さない分を作り笑顔で誤魔化すな」
これはパチンコ日報に寄せられるユーザー側の声だ。
「客が求めているのは出玉であって、むしろ、声を掛けて欲しくない」と追い打ちをかける。
業界人でさえも接客では稼働は上がらない、と思い込んでいる人も少なくない。接客をあいさつやお辞儀程度にしか考えていないから、そういう発想になる。確かに、作り笑顔の愛想笑いをしてくれるスタッフがいるから、そのホールへ行ってみようか、と思う客はいない。
接客で稼働は上がらない。業界でも定説になりかけているが、ぱちんこ情熱リーグの決勝に進んだホールのプレゼンテーションを見ていると、接客で稼働を確実に上げていることが実証されている。
大阪の「ピールーツカジノ」はそれまでグループでも稼働はトップで旗艦店だった。そのホールの真隣に、マルハンが規模も倍近い1200台の大型店を出店してきた。
稼働はすぐに表れた。最大で35%も落ちた。ピールーツの客がマルハンへどんどん流れた。
マルハンがオープンする2カ月前から新しい店長が赴任して、基本動作から徹底にやり直したが、2カ月では時間が短すぎた。
客が1人、2人と戻ってくるまでに半年以上が過ぎたが、お客さんから「やっぱりこっちが、心地がいい」と褒め言葉を貰うようになると、スタッフのやる気に火が付いていく。
アルバイトスタッフ自らが「どうしたらお客様に喜んでもらえるか」を考えるようになったのだが、早番と遅番が交代する30分間を使って、毎日会議をするようになり、連続800日以上も続いている。
お客さまカルテを作って情報を共有している。このお客さまカルテは特段珍しいことではないが、徹底することで武器にしている。あるお客さんには8枚のカルテがあるほど、細かい情報を全員で共有すると共に、日々その情報も更新している。
集めた情報を元により高いコミュニケーション能力で接遇するから、だんだん店やスタッフのファンになって行く。
こうして集められた顧客カルテは553名分にも及ぶ。カルテ客のリピート率が高いことはいうまでもない。
常にお客の方に目線を注視し、雨降りの日に傘も持たずに外に出て行った客には、追っかけて来て「これ使って下さい」と手渡す。こんなことを自然にする。
差を付けられていた稼働も拮抗するまでに回復した。
ここまで徹底して顧客サービスをやっていなかったら、今頃は閉店の憂き目に遭っていたかも知れない。