新規ユーザーの開拓には同行者がポイントに
今年、大学を卒業して晴れて一部上場メーカーに就職したフレッシュマンA君の声に耳を傾けてみたい。A君には業界を自分の手で変えたい、という高い志がある。
パチンコ人口は減少の一途をたどっているが、消費金額の高さがパチンコ離れの原因にもなっている。そのために1円パチンコ営業も登場したが、A君は本来パチンコは4円でやるべきだ、と考えている。
4円で遊べるパチンコ機を開発すればホールの収益構造が回復して、パチンコファンの減少を食い止めることにもつながる。そのために、就職先をパチンコメーカーに絞った。
内定は複数もらう。A君が最終的に決めたのは会社の規模ではなく、会社の危機意識だった。それが一部上場メーカーだった。
そんなA君にパチンコ、パチスロをしたことのない若者がどうすればホールに足を運ぶかについて聞いてみた。
話しは若者を「パチンコ嫌いで未経験」と「パチンコ未経験」の二つに分類することから始まった。
「パチンコ嫌いで未経験」
A君の経験からパチンコ嫌いで、パチンコとは無縁の生活を送っている若者が、ホールのチラシ、メーカーのテレビCMなどを見ても自らホールに足を運ぶことはまずない、という。
1パチや5スロの普及で金銭面でのハードルは低くなっているが、パチンコ嫌いの若者が興味を持つことはない。理由はギャンブル=お金がなくなる、というマイナスイメージが強いからだ。
1パチも4円について行けなくなったユーザーのパチンコ離れを食い止めるための苦肉の策で、1パチはパチンコ嫌いの新規ユーザーへの強烈なアピールポイントにはなっていない、と指摘する。
「パチンコ未経験」
この若者はパチンコに対して負のイメージを抱いている訳ではない。メーカーのタイアップ機で、好きな版権物がCMで流れれば、食いつく可能性もある。ホールのティッシュ配りなどでもその可能性は0ではない。
二つのタイプの未経験者でも、「同行してくれる経験者」がいれば、一度は足を運ぶ可能性がグンとアップすることを実体験で分かっている。
「パチンコ嫌いで未経験」だったA君は、「同行してくれる経験者」がいたからこそホールに足を運び、必勝法を研究する内に、パチンコ業界に興味を抱き、就職先としてパチンコ業界を選んだ。
未経験の若者を実際、「一度は確実にホールへ足を運ばせる」ことを真剣に考えるのであればこの「同行者」をいかに作り上げるかがポイントになってくる。
特に学生であればサークル仲間、体育会仲間などのヨコのつながりが広い。
A君の体育会の後輩はほとんどが1パチ、5スロで楽しんでいる、という。その際もやはり経験者が未経験者を誘ったことが、ホールに足を運ぶようになるきっかけになっているようだ。
大学生がパチンコを打たなくなった理由の一つはあまりにもお金がかかりすぎたため。それでパチンコに誘う同行者もいなかったが、1パチ、5スロの普及で再び、誘ってくれる同行者が出始めているということでもある。