業界誌が存亡の危機?
パチンコ業界の業界誌といえば、ホール関係者向けに発行している雑誌をイメージするが、警察庁のいうところの業界誌とは、どうやら一般ユーザー向けにコンビニで発売されているパチンコ雑誌を指すようだ。
警察庁生活安全局保安課長から7月20日付で、ホール5団体に対して「ぱちんこ営業における広告、宣伝等の適正化の徹底について」と題する文書が通知された。
これは警察庁がホール5団体に再三再四要請している広告・宣伝規制の遵守するようにとの最後通牒のようなもの。
これまでのホール側の対応といえば、広告・宣伝規制を逃れることに血道を上げ、遂には第三者を装ったブログで特定ホールの高設定台を示唆する“悪知恵”に警察庁はただただ呆れ返るばかり。いつまでも続くイタチごっこに止めを刺す内容である。
20日の通達をホール団体が遵守しなければ、今後、平和的交渉を打ち切る意思表示であるようにも読み取れる。
今回の通達の中で、初めて「業界誌」という言葉が出てきた。そのくだりがこれだ。
(4)広告及び宣伝の適正化に係る業界誌への協力要請について
2に掲げた広告、設備等規制違反に該当する表示例の中には、業界誌の協力を得て行われる催物の内容を表示するものもあることから、ぱちんこ営業者関係団体においては、業界誌に対し、ぱちんこ営業の健全化への協力を求められたい。
また、一部の業界誌には、遊技機の無承認変更を推奨し、又は教唆・扶助等する内容の記事等を掲載するものも見受けられるところ、このような記事等を掲載することも、ぱちんこ営業の健全化を阻害するものである。ぱちんこ営業者関係団体においては、業界誌に対し、このような内容の記事等により違法行為を助長し、又は教唆・扶助等することのないよう、掲載する記事等の内容の適正化についても協力を求められたい。
以上
官僚が書く文章はどうしてこうも難解なのか。何度も何度も読み返さないと理解できないのだが、パチンコ業界誌というから最初は分からなかった。業界誌で警察庁の逆鱗に触れるようなことはしていないはず。
首をひねっていたら、これをパチンコファン雑誌に置き換えればやっと分かる。
ファン雑誌にはイベントコンパニオンなどを招いて出玉をアピールする写真が載っているが、ホールはその手の雑誌に記事広告を出すな、といっているように読み取れる。
さらに、遊技機の無承認変更の推奨、教唆、扶助とはイベントの時に玉が出る、ということは釘調整を行っているということになる。釘調整=無承認変更で、それを助長させるような記事がファン雑誌に散見されるので、ホールは協力してはいけない、ということだ。
昨年、広告規制が発表された時、一番危機感を抱いたのが、イベントが規制対象になったファン雑誌だった。ところが、いざ蓋を開けてみると、○○ガールや○○エンジェルなどのイベントコンパニオンは引っ張りだこで、過去最高収益を上げた雑誌社もあった。その出版社の系列業界誌は、昨年、石原都知事のパチンコ不要発言に対して、真っ向勝負する記事を書いて話題になったことがある。
ここまでファン雑誌に対して締め上げてくることは、いよいよ存続の危機を迎えることになる?