ユーザーを増やすにはパチンコのマイナスイメージの払拭から
パチンコ業界は、ほとほとイメージ戦略が下手だと思う。イメージ戦略が下手というよりも一切やってこなかった、といっても過言ではない。そのツケがノンユーザーアンケートに現れている。
大遊協青年部がパチンコ・スロットをやったことのないノンユーザー2310人を対象に、パチンコのイメージに関するアンケートを取った。
興味深いのはパチンコのマイナスイメージに対する設問だった。パチンコをやらない人のパチンコに対するイメージが浮き彫りになってくる。
マイナスと感じるものには、いくつでもチェックを入れることができるのだが、断トツだったのが「依存症の問題があるから良くない」で1310人、56.7%が依存症を挙げていることだった。
次に多かったのが「暴力団が絡んでそうだから良くない」(1065人、46.1%)で、以下、「客層が良くない」(791人、34.2%)、「パチンコはギャンブルだから良くない」(678人、29.4%)、「外国籍経営者が多いから良くない」(672人、29.1%)、「パチンコ店の脱税が多いから良くない」(566人、24.5%)と続いた。
パチンコ業界の実態とイメージとが、かけ離れていることに業界関係者は驚かされる。パチンコをやったことのない人からすると、未だに暴力団が絡んでいる、と思い込まれていることは、業界としても心外だろう。むしろ、脱税業種の常連という汚名があるので、そちらのイメージが強いかと思ったら、それが一番低いのは意外な結果でもある。
ちなみに、平成24年度の不正発覚の高い割合の業種は以下の通り。
1位 バー・クラブ 45.4%
2位 パチンコ 29.8%
3位 土木工事 29.1%
4位 自動車修理 28.8%
5位 廃棄物処理 28.4%
6位 構築用金属製品製造 27.8%
7位 一般土木建築工事 26.7%
8位 管工事 26.1%
9位 電気・通信工事 25.6%
10位 再生資源卸売 25.2%
本題はここからだ。
パチンコの悪いイメージでは依存症の問題をトップに挙げている。では、「身近にパチンコに嵌って困っている人がいますか?」という設問では、「いる」が393人、17%に対して、「いない・分からない」は1917人、83%。
周りに依存症の人がいないにも関わらず、依存症をマイナスイメージに挙げるのは、大いに矛盾している。
まさに、イメージだ。ノンユーザーはパチンコをやったことがないわけだから、店内に足を踏み入れたこともない。メディアで伝えられるパチンコ関連のニュースといえば、大抵がネガティブなものばかりだ。そういう情報から受けるイメージが、依存症へと結びついていくものと考えられる。
パチンコ人口を増やすには、まず、ノンユーザーが抱いているパチンコのマイナスイメージを払拭することから始めなければいけない。
依存症=おカネがかかる=自己破産=一家離散=自殺とネガティブな連想しか沸かない。
同時に1000円で1時間遊べるぐらいの環境を整えることも求められる。そのぐらいの大改革を行わない限り、業界の未来はない。遊びやすい環境を整えて、初めて遊技人口も増えるというもの。
遊技人口が増えれば、薄利多売で経営も行える、というものだ。